セブンスコート

「え、友達いないヒキニートなのに?」

「男のツンデレはちょっと…」


「――ある者の、絶望的な悪意によって」

「行こう、セブンスコートへ」

号泣した、感動&鬱ノベルゲームです。

 

匿名のネットではちょっと言葉遣いが荒くなっちゃう方、一度でもゲーム制作を志したことがある方、売れているゲームに嫉妬したことがある方。

とりあえず、これに一つでも当てはまった方は絶対にやるべきだと思います。このゲームから受ける衝撃は特に大きくなりますよ。もちろん、それ以外の方にもオススメしますが。

 

主人公は、何故か突然自分が作ったゲームの中に放り込まれます。

それも、掲示板によく書き込みしてくれていたファンの人たちと一緒に。

なんというコミカルな設定。

 

そんな設定に似合わない、随分とリアル調な絵。(すごく美麗)

ストーリーが進むにつれて明らかになる真相。

どこかおかしい、歪な世界。衝撃が何度も襲ってきます。

ぞくぞくするストーリーが特徴です。

 

登場人物はみな、どこかにを抱えているのですが、それは話が進むうちに明らかになってきます。

前半は、軽いノリの会話に挟まれる不穏さに、中盤は暴かれていく主人公らの過去に、終盤は衝撃的な結末に心を鷲掴みにされます。

 

このゲームから得られる何かはプレイ時間を優に超る価値だと思います。

 

作者様のサイトにある、おまけのようなwebサイトが面白いので、プレイ後は覗きに行ってみてください。真相を知った後だと、涙が止まらないです。









↓↓以下ネタバレ!!↓↓







残念なことに、時折ミシェルの言う事に納得しちゃいます。

心のこもってないただの作業ゲーに、価値なんてないみたいな主張をあらわにするところとか。もちろん、作中でも言われてますようにそれってただの嫉妬なんですよね。


掲示板とかでの些細な書き込みが、こんな悲劇を巻き起こす展開は大袈裟に見えて実は結構リアルだと思います。

フリゲを制作し始めてわかったんですが、素材を提供してくださるサイトさんにイチャモンつけたり、無理な要求をしたりといった行為ってわりとあるんですね。

匿名性を利用して、自分の言いたい放題・やりたい放題して、相手を苦しめ、結局自分が拠り所にしていた場所を失うという様は、まさにヤコポそのものです。

彼が言っていた「悪気がなかった」のはおそらく本当なんでしょう。まさか相手がそんな追い込まれた状況で苦しんでいたなんて伝わらないですし。

でもどんなに悪気がなくても、相手を傷つけ、この作品では死に追いやったのは間違いない。

このゲームをやって以降、自分がネットで発言していることが途端に怖くなりました。


このゲームは、どれが悪人とも言えないから余計に苦しいですね。

責めることはできない。

嘘をつき続けて、ゲームに安息の地を求め、自尊心を保つために傲慢な態度をとっていたヤコポも、いじめから逃れるために、自分を絶対に守ってくれる偽の人格を作り出し、その世界に浸っていたネリーも、心と体の性別が一致しないままに、しかしそれを打ち明けることもできず、好きだった子のためにゲームを作り、そしてその子を友人に譲ったイメオンも、生まれ持っての殺人に対する欲求を抑える術を、愛する人への気持ちの表し方も知らず、自らの命をポーリーンに捧げた殺人鬼エイドも。


名作は悲劇的な展開の物語が多い気がしますが…、これもその一つですかね。

明らかになっていくミシェルの過去、つらすぎる。なんでこんな良い人が病気になったりするんですか。神さまなんていねえんだ。


登場人物が全員どこか不器用で、みんな愛おしい。本当に大好きな作品です。