B.B.ライダー

ひょんなことから現代に呼び出された英雄と、RPG

 

有名ですが、改めてレビューを。

 

このゲームの特徴としては、まずスピード感のあるギャグ。次に激しい演出(敵との遭遇シーン・エログロ面において)。最後に練られた重厚なストーリーです。

 

キャラクターの総数はかなりのものですが、その誰もが脇役に追いやられることなく見せ場をもっています。(約一名、影が薄いことをネタにされてはいますが)

シル見レベルに崩れる顔グラが多用されるギャグシーンは、その疾走感で笑わせてくれます。前半のメインは主にギャグなので、このノリが合えば楽しめると思います。

時折、下ネタやら下品な話が入ってきますが、苦手な方は目をつぶってあげてください。

 

このゲームは章ごとに区切られていますが、その間に中断すると大量のイラストを用いたエンディングが見られます。もちろん正規のEDではなく、中途EDみたいなものです。(上の画像の3枚目です)

それだけですごいのですが、ストーリー半ばで入るオープニング。(真上画像)

歌入りBGMと共に繰り広げられる、敵との激しい攻防戦、細かく動くドット絵で、完全に世界に入り込んでしまいます。

 

作中の大事なシーンにはスチルが入ります。絵がすごく上手い!というわけではないんですが、主人公たちの感情を理解して物語に没入するには問題なし。

一枚絵は戦闘の際にも入り、ドット絵による剣戟と共に、とても高揚します。

ギャグシーンでもちょっとしたイラストが挿入されて、文章だけでなく演出でも楽しませてくれます。

 

その反面、戦闘は単調です。カードというアイテムを使うシステムは面白いのですが、戦闘終了後のSEが長くて、テンポを甚だしく阻害してくれます。

終盤で覚える技のエフェクトは良いのですが、地味な序盤から~中盤はダルくなること間違いなし。

ですが、そんな気持ちを抑えて続ける価値があるストーリーです。

 

なにより圧巻なのは、全体を通しての構成

後半に入ると序盤のふざけたノリが一転し、主人公ニトスが背負った運命・主人ロウリィの秘密・その他キャラたちの正体・敵方の思惑・この世界の真実が続々と暴かれていきます。

 

傲慢ツンデレロリ主人・ロウリィ。

ロウリィの奴隷・ギャグ担当カロス。

ニトスのホモダチ・ガレリアンとその部下である貧乏娘ベルフラウ。

主人公についてくる少年(少年とは言ってない)オラクル。

ニトスを付け狙う、敵の大ボス・シルバ。

シルバに従う幹部たち――色気でかどわかす美女ハイブリッド・寡黙な美青年ロンド・なんか影の薄い関西弁ウェルチ。

何も語らない強大な力の主・黒き風のヴァジュラ。

 

ニトスの過去に現れる、正体不明の者たち。

 

そして、"英雄"ニトス。

 

彼らが織りなす、恒久の時をまたにかけた壮大なストーリー。

クリアした後は、「"英雄"とはなんだろう?」と考えこんでしまう、そんな名作です。

 

 

 

 

 

 

 

以下重大なネタバレ&キャラ語り!!

 

 

 

 

 

 

 

ニトスは、これで幸せだったんでしょうか?

なんで人並みの幸せを得られないのか、クリア後も悔しさと感動で涙が止まりませんでした。

ここまで、普通の人生を歩ませてやってくれと願った主人公もいない。

英雄は救われない。

 

切り裂きトーレであることを隠し、シルバを育てていたときの彼の思いは、一体どんなものだったんでしょう。ロウリィを生むために、彼に目をかけたんでしょうか。それとも、少しの心の安らぎを求めていたのか。

処刑されるときのあの微笑み、シルバの絶叫が忘れられません。

シルバが、トーレの正体を知ったら…どうなるんでしょうね?

 

哀れなハイブリッドの境遇にも、やるせなさを覚えます。エロイイお姉さんなのに、あんな惨めな最期を迎えるなんて…。

必死に助けを呼んでいたのに。

 

ガレリアンは、あんなにホモホモ言われるネタキャラだったのに、終盤での見せ場が良すぎるんですよ…。消えていく彼の後姿で、また号泣しました。

ベルフラウはどうか幸せに生きてください。

 

カロスもなかなかカッコよかったですね。戦闘、それなりにできるんですね…。

最後も幸せそうなエンディングで安心しました。

 

オラクルが、あんな形で退場するのは予想外でした。彼女の正体を知ると、確かになあ、とは思うんですが…。生きていてほしかったです。

 

ヴァジュラとの最終決戦、ひたすらすごかった…!!!

BGMの「thread of hope」と演出が合っていて、体の震えが止まりませんでしたね。

千年もの間、ロウリィを守るためだけに、自分を忌み嫌った人間たちへの恨みを胸に、抜け落ちる記憶の恐怖と戦い続けたヴァジュラ、かつての英雄ニトス。

そして最期は愛する者の手で討たれる。

こんな話、救われなさすぎる。だからこそ心に響く…。

 

永遠にループし続ける連鎖から、抜け出す展開があってほしいとも願ってしまいます。

 

 

「どっちが化け物かわかりゃしない」

 

シュマーリ・ゴールド

輝けぬ金色…

 

「ブレイド…アルター…」

 

「俺を呼んでくれて、ありがとう」

 

「それでも俺は…戦うさ。」

 

 

「争いのないところへ行ってみたいな」

 

 

それは語り継がれぬ英雄譚。しかし、確かに残る男の軌跡。